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目の発達

目がどのように機能しているのかを把握し、目の各部分がどのように機能し合って鮮明な像を脳に送るのか、そしてこれらの各部が年齢とともにどのように変化するのかを理解しておくと有益です。

まず気づくのは、この年代ではほとんどすべての人が、眼鏡や多焦点コンタクトレンズなど、何らかの種類の視力矯正手段を使用していること。その理由をいくつか挙げてみましょう。

網膜の光に対する感度の低下

加齢に伴って網膜の光に対する感度が低下するため、暗いところでは以前よりも物が見えにくくなります。作業エリアやリーディングチェアの脇の照明を明るくすると、印刷された文字がより鮮明に見えるようになりますが、最終的には、読書するのに二焦点または多焦点のコンタクトレンズなどの視力矯正手段が必要になります。

水晶体の弾力性の低下

印刷された文字が前ほどはっきり見えない?その原因の一つは、眼球の水晶体が加齢とともに弾力を失うためです。このため、目は若い頃と同じような機敏さで焦点を合わせることが難しくなるのです。読書用眼鏡や二重焦点あるいは多焦点のコンタクトレンズがあれば、より鮮明に字が見えるようになります。その他にも、拡大鏡のような視力補助具を使用することで、例えば地図上の文字やクロスワードパズルの数字のような、最も細かい印字に焦点を合わせることが可能です。

水晶体の混濁

眼球の水晶体が混濁し始め、色が以前と同じ鮮やかさでは見えなくなってくる場合があります。また、夜間のヘッドライトや、日中に歩道にあたる太陽光線がさらに眩しくなったと感じることもあるでしょう。偏光サングラスを使用すると眩しさが解消されるため、日中にこのような不便が起こるのを防ぐことができます。さらに、夜間の運転が難しくなった場合は、球面収差を補正するコンタクトレンズが役に立ちます。

目の乾き

目がいつもよりも乾いていると感じたことがあるのでは?これは、涙腺が水分を生成し、目を適切に潤った状態に維持する能力が少しずつ失われていることが原因です。人工涙液の点眼剤は本物の涙と同じように作用して目を潤わせ、ドライアイの不快感を緩和してくれます。連続して何時間もコンピュータを使用しなければならない仕事をする人では、 コンピュータ視覚症候群と呼ばれる状態によって乾燥がひどくなっている場合があります。仕事の習慣を少し変えるだけで、このようなトラブルを緩和できます。例えば、

  • コンピュータの画面から目を40cm~50cm離す

  • コンピュータの画面の高さを視線よりも下にする

  • 作業中に参照する文書とコンピュータ画面との間の距離をできるだけ小さくする

  • 目薬を差して目を潤し、目の炎症や乾きを抑える

  • 画面をまぶしく感じない程度に光量を調節する

  • 15分ごとに休憩を取り、遠くのものを見る

  • まばたきを頻繁にする

視界に小さな明るい光の点や黒い物体が浮遊しているように見える時

時々、視界に明るい光の点がちらついたり、黒い浮遊物体が長時間にわたって見えることはありませんか。これらは、網膜とつながっている眼球の一部である硝子体が40代になって縮み始めることで視野に生じる現象です。浮遊物やちらつきは不快なものですが、気にしないようにする秘訣はそれほど難しくはありません。点やちらつきの数が突然増えたような時は、眼科医に相談してください。