2013/07/02, 火曜日
米国で発表されたプレスリリースの抄訳です。
50歳以上のアメリカ人の多くは目の健康をサポートする主要栄養素を
毎日の食事で 十分に摂取していないことが判明
中高年の目の健康のための栄養素と摂取できる食品を紹介
2013年6月20日 ロチェスター、ニューヨーク州 ― 米国で発行された“Journal of Clinical Interventions in Aging”誌に掲載された報告書には、特定の栄養素と目の健康との関係性に関する調査概要と専門家の意見が発表されています。この報告書では50歳以上のアメリカ人の多くが日常の食事だけでは目の健康をサポートするための栄養素を十分摂取できていないことがわかりました。
米国タフツ大学の栄養学研究者であるElizabeth Johnson(エリザベス・ジョンソン)博士とレスリー大学の非常勤教員であるHelen Rasmussen(ヘレン・ラスムッセン)博士、ならびに同報告書の執筆者たちは、年齢とともに気になる目の健康をサポートするのによいと思われる重要な栄養素として、抗酸化ビタミンCとE、ルテイン、ゼアキサンチン、亜鉛およびオメガ3脂肪酸であるエイコサヘキサン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)に注目しました。
ジョンソン博士は「目の健康や視力について日ごろから注意している成人はとても少なく、いままでに目が受けたダメージを修復するには手遅れという段階になるまでわからないケースがあります。私たちの報告書を通じて、食事に適切な栄養素を取り込むことで成人が目の健康を維持できることを示しています。食事に気をつけるだけで、大いに効果があるのです」と述べています。
報告書では最新のNHANES(National Health and Nutrition Examination Survey 米国全国健康栄養調査)のデータを紹介し、これらの栄養素についてほとんどのアメリカ人が最適とされる摂取量を下回っていることを示しています。米国のOcular Nutrition Society(眼栄養学会)が実施した最近の調査によると、アメリカ人の年齢45-65歳の成人の78%が五感の中で視力を最も重要な感覚として挙げていながら、目の健康に重要な役割を果たす可能性のある栄養素について知っていたのは半数以下でした。また、回答者はオメガ3脂肪酸(約60%)、ルテイン(66%)とゼアキサンチン(約90%)を含む具体的な栄養素について知らなかったことが判明しました。
これらの栄養素は食事を通じて摂取するのが最良の方法ですが、食事だけでは必要な栄養素を摂取できない場合には栄養補助食品で補うことができます。
網膜治療を専門とするクリニックVitreous Retina Macula Consultantsの医師であり医学博士のマイケル・J・クーニー(Michael J. Cooney)氏は「これらの栄養素を日常の食事で摂取するのが最良の方法であっても、アメリカ人の多くは目に良いとされる食品を摂取していません。通常の食事だけでは推奨レベルを摂取できない人に対して、その差を埋める働きのあるビタミンとミネラルを含んだ目用サプリメントを勧めています」と述べています。
調査では、目の健康をサポートする可能性があるとされる8つの栄養素について、アメリカ人の多くが最適な量を食品から摂取していないことが分かりました。これらの重要な栄養素や抗酸化物質が含まれている一般的な食品は数多くあります。管理栄養士であるケリ・ガンズ(Keri Gans)氏は、目にとって重要な栄養素の摂取レベルを高める目的で毎日の食事にそのような食品を複数組み合わせることを推奨しています。
ガンズ氏は、「成人が目に良い食事をするために簡単に取り入れられる食品がいろいろあります。例えば、ルテインとゼアキサンチンが大量に含まれるケールやほうれん草のサラダを食べたり、ビタミンCを多く摂取するには朝のヨーグルトにベリー類を追加すればいいでしょう」と述べています。
その他には以下の食品が挙げられます:
- ビタミンC:柑橘類、果実、トマトやブロッコリー
- ビタミンE:植物油、小麦胚芽、ナッツや豆類
- 亜鉛:カキ、牛肉やその他の肉類、ナッツ、豆類や亜鉛を含む植物原料を使用した乳製品
- ルテインとゼアキサンチン:ケール、ほうれん草、ブロッコリー、エンドウ豆、トウモロコシ、パプリカ、クコの実や芽キャベツ
- オメガ3脂肪酸:サケやマグロなどの冷水魚から採取した魚油
- ベータカロチン:ニンジン、カボチャ、サツマイモやホウレンソウ